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Date: 2016.07.14

Author: higash

プロジェクトのマネジメントはコミュニケーションのマネジメント

エントリーのタイトルがそのまま結論なのですが、結局のところ関係者のコミュニケーションがうまくいくかどうかで、Webサイト構築や運用といったプロジェクトの成否も決まってきます。
コミュニケーションが大切というのはすごく当たり前の話ですが、本エントリーでは「コミュニケーション」という人間の永遠の課題を少し細かく考えてみたいと思います。

プロフェッショナルとしての技術があることが大前提

大前提として、Webサイトの立ち上げやリニューアルといったプロジェクトを遂行するための技術(スキル)は必要不可欠です。

私は10年ほど前からWeb構築に携わっていますが、当時に比べると業界はとても分業が進みました。マーケティング、デザイン、エンジニアリング、高い専門性を持った人材がそれぞれの得意領域を担当するケースが増えています。
雑誌・書籍・Webメディアなどを通じたデジタルマーケティングについての情報量も増え、私どものお客さまのWebに対する知見も日増しに高まっていることを痛感します。

Web業界は技術の進歩が速く、2?3年前の技術はあっという間に陳腐化するので、Webのプロとして自分に何が求められているかもあっという間に変わっていくように思います。
たとえば、私はデザイン領域をコアなスキルとしてこれまで経験を積んできましたが、近年のデザイナーは画面のUI(ユーザー・インターフェース)をデザインするだけでなく、UX(ユーザー・エクスペリエンス)の領域まで深く踏み込んで「デザイン」を検討・考案することを求められるようになっています。

時代の流れを捉え続け、プロとして顧客に提供できる技術を磨くことが仕事におけるコミュニケーションの大前提と言えます。

必要なのは専門用語を変換して伝える技術

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高い専門性を持つことは重要ですが、技術的な専門用語をかみ砕いてお客さまにご説明するのはとても難しいケースもあります。ビジネスはどうしても時間とお金の制約がありますから、「できること」「できないこと」の線をきちんと引かないとプロジェクトは上手に回りません。

プロジェクトを前進させるために、できる限りお客さまの視点で技術的に解決可能か否かや、作業にかかる工数がどの程度なのか、またはよりよい代替案がないかをシンプルにわかりやすく回答することを心がけています。
しかし、技術の問題は、外側から見れば簡単に思えるものが内側から見てみると非常に難しいケースも多く、とてもご説明に苦労するのが現実です。
ことデザインに関しては、ロジックだけでない感覚的な要素をじゅうぶんに含んでいるため、正解なき解答を求め続けて迷宮に迷い込んでしまうことも少なくありません。

大切なのは、プロとしての自分たちの言葉を信じてもらえるよう、技術(クオリティ・スピード・コストのバランス)については我々自身が鍛錬を怠らないこと。
また、もうひとつ大切なのは、多少言いにくいことも含めて、きちんとお客さまが我々に心を開いて要望や質問を伝えてくれるような関係性をいち早く築くことではないかと思います。

日本人というか、アジア人の場合は特に、上下関係だったり、組織としての調和を重要視する傾向が強いため、発言が曖昧な言い回しになることも多く、「言ったつもり」「伝えたつもり」のコミュニケーションが起こりがちです。
相手に対するリスペクトはコミュニケーションにおいてとても重要で、それは日本人のとてもよい側面でもありますが、一方でよりよいクリエイティブを生み出すためには時に侃々諤々とした議論も必要なのではないか、とも思います。

アジャイルはなぜアジアで普及しないか

無論、侃々諤々とした議論というのは、お互いにリスペクトと信頼関係なくして起こり得ないことが大前提です。
そして侃々諤々の議論とは、批判や批評だけをし合うことではありません。「NO」を言う人は、代わりに「YES」が何なのかを示さなければ無責任なだけです。

また、専門用語についてはできるだけ専門家でない人に対してもわかりやすく変換して伝えて、理解が得られるように努めることが大切だと思います。
お互いに共通言語がないところに、議論は起こりえませんし、ハイレベルなアウトプットはありません。

画面に落とし込むために必要なのは、選ぶ勇気、捨てる勇気

仕事は結局、人と人(組織と組織)の間で行われるものですから、どれだけ事前に準備をしていても、相性というのはどうしたって出てきてしまいます。

デザイン重視、技術重視、スピード重視といった重点ポイントの違いだったり、段取りを着実に踏んでからアウトプットしていくか、アウトプット重視で動きながら考えるか、といったプロジェクトの進め方の違いだったり、価値基準はさまざまです。
決してどっちが正しい、どっちが間違っている、とは言い切れないものですが、私としてはできるだけ早くお客さまのスタイルを掴めるように、というのは意識しています。

そして、モノを作るというのは、理想像をきちんとカタチにしていく作業ですので、さっきの話ではないですが、「できること」「できないこと」の線をきちんと引いていくことが必要になります。
また、「できること」については、全部一気にというわけにもいかないですから、優先順位を付けて対応していく必要があります。
選択・判断 ・決断はとても勇気のいることですが、結局のところ、これがないとどんなプロジェクトもうまく回りません。

さて。偉そうなことをいろいろ書いてしまいましたが、私の場合、プロジェクトやタスクの管理はできる限りシンプルにしたいと考えるタイプです。
お客さまからは「緻密」と評価いただくこともありますが(光栄!)、複雑なプロジェクト管理ツールは結局のところ入力の手間だと思っています。
とはいえ、お仕事ですからドキュメンテーションは絶対に必要ですね。中間成果物は世には出ませんが、対価は中間成果物に対しても発生することが多いので。

というわけで、弊社にもさまざまなキャラクターがいますので、お客さまに最適な体制を組んでプロジェクトに取り組めればと考えています。
最適な体制とは何ぞや、最適なコミュニケーションとは何ぞや、というのも、私たちなりに考えていることがありますので、機会があればその紹介もできればと思います。

higash

大学在学中に雑誌向けイラストレーション制作やエディトリアルデザインを中心にデザイナーとしてキャリアをスタート。大学卒業後はデザイン事務所に勤務した後、2006年からWeb業界へ。
2009年2月よりシータス&ゼネラルプレス所属。Webディレクターとして企業広報系サイトやECサイトの制作を指揮する一方で、自らデザインや実装・開発を手がけることも。
CSS Niteでの講演やMdN web creatorsへの寄稿など、講演・執筆活動の実績も多数あり。